格安デニムに思うテニス生産国
すごい安いジーンズが発売されていますね。
澁谷は甲斐さんのブランド「サンライズジャパン」を愛用して
います。こまかいディテールまでこだわって長年に
わたりはき続けられる製品には尊敬の念をもちます。
この価格破壊の件では、国内のジーンズ工場が
かなりの打撃を受けているというニュースを聞きました。
職人的こだわりのあるメーカーはコストがかけられない
つらい時代になってしまいました。
商売としてはデフレはあまり歓迎できないですね。
クオリティを下げてでも安く売るのがよいのかどうか。
過度な競争によっていいものが途絶えてしまうのは
大きな損失だと思うのですが。
さてテニス業界ではどうでしょうか。
いまのところテニス生産業(作る側)は日本で作って
日本で売る内需対応というより、ワールドワイドな商圏で
行われているビジネスなので、それほど価格破壊は
起こっていません。
ただし、末端価格に関しては(買う側)、海外との価格差が
あるので、ものによってはネットなどで海外から買うことが
かなり得な印象があります。リスクはありますが。
ワールドワイドな生産になるのは、それぞれの国で得意な
分野があるからです。
たとえばナイロン系のストリングは日本がかなり強い。
ポリエステル系ストリングはヨーロッパ(特にドイツ)。
ナチュラルはフランスやオセアニアが中心。
各フレームブランドのラインアップはたいがいがOEM。
得意なストリングメーカーに任せたほうが安心なんです
知られてませんがグリップテープなども日本が強いのです。
実はこっそり日本製という有名ブランドもあるくらい。
明かせないのが残念です~(笑)。
ストリンギングマシンは低価格なものはほとんど台湾製。
知る限り3社くらいですべてのブランドをOEMしている。
高性能のものは日本やヨーロッパですね。
フレームはほとんどが中国。工場に行くといろんなブランドの
ラケットが違うラインで生産されています。
一部こだわりのあるブランドが自国生産をしているくらいです。
いわばメーカーは、マニファクチャーではなくデザイナーや
プロデューサーという立場になっている気がします。
それでないとコスト的に合わないので仕方がないのです。
それだけ手ごろな価格で販売できるので、テニスが盛んに
行えるスポーツとして定着しているのですから。
コスト至上主義でないとやっていけないのはテニス業界
だけではないでしょうけど。
テニスデフレには陥らないでいただきたい。
切に願います。
冒頭のジーンズは、ジーンズ好きに出されたものではなく
話題作りとして生まれたものなんでしょうね。