連載:テニスがうまくなる方法「人と同じ必要はない」
テニスというのは決まりが少ないスポーツです。
フォームやプレースタイルは人それぞれ。昔のテニスを見ると今との
違いに驚くことでしょう。それくらい常識が変化(進化)しているのです。
たとえば昔と違うのは、グリップの握り方やスイングの仕方など。
映像が多く残る40年ほど前ではうすい握りでフラットに当ててゆったり
返し、ひたすら相手のミスを待つというもの。
もっと前ではまた違うスタイルもあったでしょう。
これは当時のラケットやコートサーフィスに適合したスタイルなのです。
そのうちに強烈なスピンをかけたり、ネットにつめてボレーしたり
両手で打ちだしたりと、自分が勝つための方法を独自に編み出して
進化してきました。その流れは次々と変わっていきます。
現在指導されている基本フォームは、現在の流行でしかないのです。
ラケットやストリングも昔は規定がほとんどなかったようなもの。
長さや面の大きさは最近ルールで決まったんですよ。
対戦相手との道具での有利不利は問われないスポーツなのです。
それでもゆるい決まりなので、使えるなら好きなものを選んでOK。
なんならソフトテニスのラケットだって使用可能ではないかな。
テニスコートのサーフィスがこれほど多いスポーツも珍しいですね。
クレー(土)アンツーカ(砕いたレンガを利用したクレー)グラス(芝)
ハード(コンクリートからその上にケミカル素材を敷いたものまで多数)
板張り(体育館などの板張りそのまま)人工芝または砂入り人工芝
珍しいところではたしかタイベックスと呼ばれていたと思いますが、
プラスティックの網目状のすのこみたいなものでできたコートも。
水はけが抜群なのだが、静電気がすごかった。握手するとビリッ!
思いつくままでもずらりと並びます。
それぞれのサーフィスに得意不得意なプレースタイルが存在します。
グランドスラムイベントなどでも、コートが違うと上位に進出する選手の
顔ぶれが一変するほどです。
ここでうまくなるための方法を見つけましょう。
自分が得意なサーフィスはなにかを見つける。つまりそれは自分の
プレースタイルはどんなかを知ることになります。
球足が遅いクレーが得意な人はグランドストローカーが多いでしょう。
一発エースが狙えるなら球足が早いハードが合ってます。
選手だってそうしています。不得意なコートでは勝てない。
自分が輝ける可能性が高い試合を選んでエントリーします。
人と同じ必要はありません。
自分がやりたいようにすればよい。
極めればそれが一番強いはずです。
これじゃ通用しないと思うのは中途半端にやっているから。
ヘッドラケットの創始者ハワード・ヘッドは自社のラケットでプレー
したときにうまく打てず「もっと私がうまく打てるラケットを作る!」と
大きなフェイスをモデルを開発しました。それが今のプリンス。
人と同じ必要がないということを具現化したよい例でしょう。
次回は「自分を知ること」をテーマに考えてみましょう。