極意とはシンプルなもの
本日プロストリンガーになりたいから講習を受けたい、という人から
メールをいただきました。勤務先とフルネームが記載されていたので、
検索してみたところ張人資格を持っているために顔写真まで確認。
なるほど。仕事終わったら返事するかと思っていたら、昼過ぎに
店に尋ねてきた人見てびっくり。あれっ?さっき見た人では…。
「思わず来ちゃいました〜。来る途中でメール打ったんです」
なんという行動力。感心しました。
澁谷もこのくらい勢いもって物事にあたらないとなぁ〜。
石橋叩いて壊して渡れない性格ですから(笑)。
どうしたら理想のプロストリンガーになれるかという会話の中で
気になった内容がありました。
彼が、以前外人のオフィシャルストリンガーに張り方極意を聞いた。
そうしたら返ってきた答えが拍子抜けしたそうです。
「しっかり引っ張ってしっかり止める」ということ。
えっ、たったそれだけ?、というがっかりな感想を持ったと言います。
澁谷の感じ方は違いました。えええええっ?それってそれって
…それってすごい深いですよぉ!
キャリア30年の澁谷でも、いまだに完璧な引っ張りと止めには到達
できていない。満足できるまでは延々続く修行になると感じています。
他のストリンガーの張りあがりを見ても、張り方を見ても、進化して
いるマシンを見ても、ストリング自体を見てもまだまだ発展途上。
しっかり引っ張っているのはマシンがかなり助けてくれるように
なってきましたが、しっかり止めるのはストリンガーの工夫なしには
できません。大半のストリンガーができていない分野です。
説明したら納得していました。そんな意味があったのかと。
その前日、同様の話がありました。
ウルトラ常連さんが、競技テニスで昔はかなりのところまでいった
ベテランの人から、参考までにとテニスの極意メモをもらいました。
そこに書かれていた内容を読んだ他の仲間は、ふぅ〜んと流して
それほど気にとめないでいたそうです。
常連さんはそれを読んで愕然としたそうです。
「しっかり止まって、しっかり打つ」
そんなことできるかよ〜、できたらプロになれるぜ…とため息が
出たそうです。それがいかに難しいか、レベルが高いことかが
わかるためには真のプレーを知らないと理解できないのです。
極意とはシンプルです。
しかし、それを実現するのは大変むずかしい。ほとんど一生かかるほど。
満足できる到達点が見えないから極みなのです。