トアルソン「ZIGZA」の張りインプレ詳細

注目の新製品を張ってみました。
前回紹介した記事は↓
http://blog.goforit-stringer.com/article/47254472.html
<張っている時の印象>
外観はすごいジグザグなので、いかにも張りにくそう。
経験が少ないストリンガーは尻込みすること請け合いです(笑)。
●メイン
メインを張る時はまったく問題なし。
ジグザグのストリングは引っ張ると、ごく普通のストレートに伸びる。
クランプで滑ることもなく、噛ませにくい感じもしない。
●糸自体のフレックス
テンショナーで引っ張って安定するまでの伸び率はそれほど大きく
ないので、すごく柔らかいポリエステル系ではなさそう。
ポリスターエナジーなどは安定するまでに数秒かかるし、伸びる距離も
かなりある。そのために仕上がり面圧は低くでる。
逆にプロハリケーンなどではすぐに止まるし、面圧が高めに出る傾向。
ある程度の復元アクションを起こそうと狙うストリングなので
そこそこ伸びないといけない、しかし伸びて戻りが遅すぎてもダメ。
しなやかなポリエステルのグループに属する印象。
●ノット
ノットを作るときに硬めのポリエステルでは曲がりにくいので
しばりにくいことがある。
ZIGZAはそこそこしなやかさがあるので、それほどつらくはない。
ただしジグザグな状態のまましばるので、しっかりとノットを作る
基本ができていないストリンガーは緩みやすい仕上げになりそう。
●クロス
クロスのときにはZIGZAの問題点が現れる。
すでに張ってあるメインはジグザグ感が消えているが、クロス自体は
ジグザグのままなので、編んでいくときに通しにくい。
不用意にたぐるとガリガリと音をたてて、通過を強硬に阻む。
これはZIGZA特有のものではなく、スピンガットと呼ばれる凸凹加工の
表面のストリングなら珍しくない現象。
しかしジグザグしている形状は抵抗がもっとも大きくなり、ここで
かなりのストリンガーがとまどうだろう。
クロスを通す基本は真横にスライドさせないこと。
メインに沿うほど斜め方向に通す・引くという作業が習慣になって
いないと、ストリングにキズをつける。
理想は音をさせないでスルスルとたぐること。
できれば一度で通過させないで、複数回に分けてたぐる。
これができていないストリンガーが多い。
キャリアが長いプロならできて当然のテクニックである。
グロメットはスピンガットほどは痛まないと思われる。
それほど角ばっていないので、クロスを乱暴に引っ張らない限り
問題なし。まぁスピンガットでなくても痛める人もいるが…。
●仕上がり状態
引っ張るとジグザグ感が消えて何事もなかったかのようになる。
スピンガットで起こるストリング目のバラつき(マスが四角にきれいに
そろいにくい現象)もなく、見た目にはアルパワーラフのような
ちょっと表面が波打っているかな〜的な印象。
●面圧
面圧は凸凹系や伸び率多い系だと低くでやすい。
このZIGZAはスピン系のストリングではないので、特に低くでることなく
通常のしなやか系ポリエステルと同様な数値。
以上が張った印象です。
フレームやストリングは性能がよくても、お店が張りにくいと感じた
製品はしだいに淘汰され、市場から姿を消すことが多いです。
それによって大きな特徴や優れた性能であっても、長く継続できない
製品やメーカーがあきらめて発売に至らない製品がありました。
このZIGZAはちゃんと張れるストリンガーなら、特に目立って時間が
多くかかるわけでもなく、ちょっと個性的な普通のストリングでしょう。
もしも張りにくいと言い訳するお店なら、そこの張りクオリティは
低いとうたがってしまいます。
製品の未来は志高いストリンガーによって支えるべきだと思いますね。

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