ストリングを活かす側面からの工夫
フレーム設計で反発や安定性や振動吸収などを工夫する
ことはよく行われること。
ストリングのパフォーマンスを活かす視点もあります。
バボラのウーファーなどもその例です。
加えてストレート・ストリング・システムという工夫が
地味ですが効果あります。
写真<上>のように端の部分で縦糸がフレームに対して
まっすぐ通される構造のことです。
普通はフレームの中心に向かって全ての穴が向かっています。
そのために端の部分は写真<下>のように斜めに通されます。
本来はストリングの可動範囲を広げる効果を狙っています。
しかし澁谷は、ストリングへの無駄な抵抗を減らせるためと
理解しています。
その理論を発展させて、独自の張り方を開拓しています。
張るときに写真<下>ではフレームに触れる部分が入り口と
出口で2カ所になります。センターでは1カ所ですみますが
端の部分では斜めになるためにこのようになるのです。
テンションをかけても抵抗が多いとしっかりと張れません。
写真<上>では抵抗なく引っ張れます。
安定した張りをするために効果があるシステムなのです。
バボラで採用される前に、テニス業界の友人に「このように
できないのかな〜」と語ったことがありました。
そのときは「そんな鋭角にしたらフレームもストリングも
痛むだろうよ。無理無理」と即却下。
その半年後にシステム発表されたので、あぁ同じこと考える
ヤツがいるんだな〜なんて思いました。
その後に色々なメーカーで採用されているのをみると、
澁谷が温めているアイデアも実現できるはず!なんて希望が
わきます。いろいろ妄想しながら仕事しているんです(笑)。